本当に会いたい人には会えないことの方が多い
今日は、前の職場でお世話になった方に会った。今の事務所に遊びに来てくださったのだ。
今の職場は、以前の職場の子会社に当たるので、OBの方がよくお見えになる。
お孫さんの話や、スキーの話や、今年は暖冬だね、とか、そんなたわいもない話をしたりした。
気付けば30分くらい話し込んでいた。
昔のわたしなら、挨拶程度であまり話さなかったかもしれない。
相手の話を引き出そうとしている自分がいて、なんだか少しおかしかった。
今日遊びに来てくださった方、と同じ職場だった方で、ものすごくお世話になった方がいる。
ひょうきんなおじさんだった。
ディズニーに出てくるグーフィに、少し似ている。
わたしの失敗はコッソリと引く受けてくれたり、わたしが叱られたり注意されている現場を目撃すると、あとでさりげなく声をかけてくれたり。
誰でもミスはするもので、ごく稀にこのグーフィおじさんもミスをする。
それをわたしもごく稀にコッソリカバーする。
すれ違う時はお互いニヤニヤしながら話す。去り際はいつも「しっかりやれよ」の一言をくれる。時々、コーヒーを奢ってくれるので、わたしもおやつを分けてあげたりした。
とにかく優しい人だった。
でも甘やかすような優しさではなく、改善すべき点はしっかり言う。
誰よりも働く人だったから、職場での信頼も厚かった。
部署が違ったけれど、グーフィおじさんの送別会には声をかけて頂いて、参加した。
何か一言、贈る言葉みたいなものを言わなければならなかったのだけれど、涙が詰まってしまって気の利いたことは何も言えなかった。
あんなにお世話になって、言いたいことはたくさんあったのに。
隣にいた他のおじさんが(おじさんの多い職場だった)、ぽつりと「仲良かったもんなあ」と呟いた。
そう、わたしとグーフィおじさんは仲が良かった。前世で親子だったんじゃないかと思うくらいに。
今も、こうして時々思い出す。
世代も違うし、住んでる場所も違って、もうあれ以来会っていない。
どうか変わらず元気でいてほしいし、みんなに大切にされていてほしい。
再会できるかは分からないけれど、もし、何かの拍子に出会えたら、笑顔で話せるといいな。
あの時言えなかった「お世話になりました。」をたくさん伝えたい。