こんぐまる、セレドの町を目指す
ぼくの名前はこんぐまる。鋼の魂を持った侍に憧れて強くなるために旅に出た。
この世界の謎を解くため、旅を続けている。
メルサンディ村を化け物の危機から救ったぼくは、セレドの町を目指すことにした。
セレドの町へはろーぬ樹林帯を抜け、セレドット山道を越す。
きっと険しい旅になる。
途中、立ち寄った黄葉商店で物資の補給と休憩をした。おやつも食べたかったけど、我慢した。
ろーぬ樹林帯で見た夕陽はとても綺麗だった。
まゆげねーちゃんもこの夕陽の下で旅を続けているんだろうか。
夕陽を眺めながら、釣りを楽しもうと思ったのに、釣竿が壊れてしまった。
また新しい釣竿を買っておこうと思う。
釣りは武士の嗜みだと思うんだ。
少しずつ日も暮れ始めた。
セレドット山道に辿り着く頃には、夜になってしまった。
夜の山道は危ない。
急がねば。
ふう。
ようやくセレドの町に到着だ。
宿屋さん開いてるかなあ。
ほんのちょっとだけ疲れた体を引きずって進む。今日はよく眠れそうだ。
モンスターが女の子を襲うところに出くわした!
ぼくが身構えたところで、気の強そうな子がしゃしゃり出てきた。
気の強い子、苦手なんだよなぁ・・・。
ぼくのお友達のあこちゃんも気が強くて、ゆうりさんを殺そうとしていた。
ウウウ、思い出しただけでも震えてくる。
気の強そうな女の子は、シツジを呼び出した。ヒツジではないらしい。
メェー。
キッッモオオオオオオオオ!!!
めちゃんこ不細工なシツジだった。
とにかく気持ち悪い。
触れちゃいけない闇の塊を見た気がした。
瞳が虚な感じが恐ろしいし、ほっぺがだるだるな感じが、他人に不快感を与える。
「だからデブは嫌いなんだよ!」って言われるタイプだ。
女の子は始終、不機嫌そうだった。
こんな不気味な奴に付きまとわれたら、確かに不機嫌にもなると思う。ジョーチョフアンテーってやつだ。
きっとデブが嫌いなんだと思う。
あんな不気味な生き物と一緒にいて、あの子は大丈夫なんだろうか。
襲ってきたモンスターは不気味シツジさんが倒してくれた。
この町には大人がいないらしい。
町の子供達は、大人への恨みつらみを口にしていた。
大人よりも不気味シツジさんの方がよっぽど気持ち悪いし、そばにいて欲しくないと思うんだけどな。そこは気にしないらしい。変なの。
不気味シツジさんの衝撃から立ち直れないぼくは、ひっそりと宿屋さんへ向かった。
この絨毯は干し草の匂いがした。
疲れた体を引き延ばす。
宿屋さんには暖炉があった。
ぼく、暖炉が好きなんだ。
温かい火を見ていたら・・・
なんだか・・・
ふぁぁぁぁぁ〜〜
おやすみ・・・、ととまる。
明日もいっぱい・・・冒険しなくちゃ・・・。
一夜明けてーーーー
セレドの町からおはようございます!
この町は坂が多い。
山間にある町だからだろうか。
心なしか空気も乾燥している気がする。
ぼくのつぶらな瞳はカピカピになった。
途中、ふらりと立ち寄った酒場は、珍しい作りだった。
他の町にはない感じだ。
酒場も閑散としていた。
大人がいない。
大人たちはどこへ行ってしまったんだろう。
民家ももぬけの殻だった。
あんな不気味生物に子供達を任せきりで心配じゃないんだろうか・・・。
もしかして大人達は・・・、すでに・・・。
なんだか嫌な予感がする。
高台の教会は、ステンドグラスがとても綺麗だった。子供達はみんなここで暮らしているらしい。
教会で、怪しげな計画を聞かされたぼくは、居ても立っても居られず、リンジャの塔へ向かった。
黒々と浮き上がる巨大な塔ーーー。
あそこで何が待ち受けているんだろう。
こんぐまるくんも旅慣れてきたなあ。
リンジャの塔で終わっているのは、わたしが寝落ちしたからですね笑